新着論文紹介 PAPERS

  • 24 JUNE 2025 高草木 陽介 先生

    A Financial Simulation for Japanese Hospital-Employed Physicians

    『資産1億円の作り方』、それがこの論文のテーマです。私たち勤務医でも、収入の10%を年間利回り4%で運用するだけで、退職時の資産は1億円を超えます。NISAも忘れずに最大限活用しましょう。

    Cureus doi 10.7759/cureus.77048
  • 21 MAY 2025 川原 正寛先生

    Cribriform Pattern Is a Predictive Factor of PSA Recurrence

    我々自治医大さいたま医療センターでは前立腺癌全摘出後のPSA再発に対する救済放射線治療を施行した症例が盛んであります。そこで近年注目されている病理学的因子であるCribriform Patternを用いて前立腺癌術後のPSA再発症例の予後との相関について研究致しました。50例を検討した結果Cribriform Pattern高度である症例な程、救済放射線治療後の再発率が有意に高く術後放射線療法後の PSA 再発の有用な予測因子であることが判明しました。

    CANCER DIAGNOSIS & PROGNOSIS doi: 10.21873/cdp.10386
  • 25 APRIL 2025 柴 慎太郎先生

    Boron Neutron Capture Reaction Enhances Proton Beam Therapy

    粒子線照射により、体内で発生する中性子とあらかじめ投与しておいたホウ素薬剤でホウ素中性子捕獲反応を起こし、粒子線治療の増感効果を狙うといった研究です。本研究では複数のがん細胞株で増感効果が認められました。最初の実験で増感効果の強さに驚き、何かミスをしたのではないかと思うほどでした。その後の実験で再現性が確認でき安心しました。論文とは関係ありませんが、タイ古式マッサージの発祥地は涅槃像で有名なワット・ポーだそうです(左図)。

    Scientific Reports doi: 10.1038/s41598-024-79045-3
  • 05 APRIL 2025 尾池 貴洋先生

    Diversity in Cancer Cell Radiosensitivity

    がんに対するプレシジョン医療を推進するためには、がん細胞の治療感受性とオミクス情報の網羅的関連解析が重要です。薬剤感受性に関しては多くの公共データベースが存在しますが、放射線感受性に関してはほぼなかったため、作りました。がん細胞の放射線感受性の”多様性”がよくわかる結果となりました。放射線腫瘍学領域で最高峰のJournal of Radiation Researchにチャレンジしましたが、即rejectされてしまい、自身の実力の無さを痛感させられた一編です。

    Cancer Science doi: 10.1111/cas.16334
  • 17 MARCH 2025 久保 亘輝先生

    How Did COVID-19 Impact Carbon-Ion Therapy?

    COVID-19が国内の重粒子線治療にどのような影響を与えたかという研究です。現在は埼玉県立がんセンターで働いている小澤先生とZOOMでデータを見ながら色々と討論しながら作り上げた論文でもあります。調べてみて面白かったのは、COVID-19の論文はパンデミック時には多くの論文が出ていましたが、意外と数年後も含めた振り返るような報告は少ないということでした。そういう意味では貴重な報告になったと思います。COVID-19の罹患者数と緊急事態宣言が出された時期、重粒子線治療の治療患者数の変化など、調べてみることで当初思っていた仮説と異なることもあり、調べていて面白い研究でした。

    International Journal of Particle Therapy doi: 10.1016/j.ijpt.2024.100634
  • 25 FEBRUARY 2025 柴 慎太郎先生

    Proton-Beam Therapy for HCC with Inferior Vena Cava Tumor Thrombus

    湘南鎌倉総合病院で陽子線治療がおこなわれた下大静脈浸潤のある肝細胞癌の症例報告です。今回は重粒子線治療ではなく陽子線治療です。粒子線治療がどのような状態の患者にできるのか、少しでも放射線治療科以外の先生に分かってほしくて書きました。症例報告なので気軽に読んで欲しいなと思っています。肝細胞癌で大きい腫瘍や不整形の腫瘍、血管に対して高度浸潤がある場合は粒子線治療の出番です。そのような方がいましたら、ぜひ粒子線治療施設にご紹介ください。(編者注:写真は学問の神様、菅原道真の刀だそうです)

    In Vivo doi: 10.21873/invivo.13667
  • 24 FEBRUARY 2025 Zhang Shengli先生

    Effects of Partial Gravity on Rat Hindlimb Muscles

    This study investigates the adaptation of rat hindlimb muscles to partial gravity conditions simulating space, Moon, and Mars gravity using our new ground-based apparatus. Results showed significant muscle changes, particularly in weight-bearing muscles (soleus and gastrocnemius), under simulated microgravity and partial gravity. These findings emphasize the need for targeted muscle interventions for astronaut health and validate the apparatus’s reliability for partial gravity simulation.

    Life Sciences in Space Research doi:10.1016/j.lssr.2024.08.004
  • 04 FEBRUARY 2025 川嶋 基敬先生

    Monthly Variations in Electrometer Calibration Coefficients using a Charge Generator for Radiotherapy

    電位計は放射線治療の精度管理を担う標準測定システムの一部を構成する極めて重要な機器ですが、提供する企業によって電荷蓄積方式、電流積算方式、自動放電方式など採用する回路方式が異なります。本研究では、これらの回路方式の異なる諸電位計の安定性をガイドラインに準拠して中長期(18か月)に検証しました。結果、電荷蓄積方式を採用した電位計では、微小電流を扱うレンジにおいて測定値に季節的な変動が確認されました。このことから、同回路方式の電位計においては、校正のタイミングによってはガイドラインの推奨する安定性を超えてしまう可能性が示唆されました。

    Radiological Physics and Technology doi: 10.1007/s12194-024-00830-w
  • 11 JANUARY 2025 尾池 貴洋先生

    Haste Is from the Devil in Flames

    放射線治療に対して予期せぬ強い有害事象を経験される患者さんがごく少数おられます。このような高感受性の原因を見つけたいと思い、10年間、遺伝子変異解析をおこなってきましたが、何も見つけられませんでした。本研究では高感受性症例由来繊維芽細胞の機能解析により、めぼしい遺伝子変異はなくとも細胞周期チェックポイントのわずかな緩みによって炎症反応が起きやすくなることを見出しました。共同研究者の慶應大・柴田淳史先生に感謝いたします。

    Advances in Radiation Oncology doi:10.1016/j.adro.2024.101530
  • 04 JANUARY 2025 安達 彰子先生

    Enhanced DNA Double‐strand Break Induction by Carbon Ions Under Intratumoral Hypoxia

    固形腫瘍内の低酸素低栄養領域はX線治療に抵抗性を持つ領域として知られています。私たちの研究から、この領域ではX線によるDNA二重鎖切断の誘導数が、酸素や栄養が多い領域に比べて少ないことがわかりました。重粒子線治療はこの低酸素領域にも効果的であることは知られていましたが、DNA二重鎖切断もX線照射に比べて優位に多く誘導されていたことをはじめて明らかにしました。

    この論文は私にとって初めての基礎研究系論文であり、オックスフォード大学留学中に仕上げた思い出深い論文です。ご指導いただいた尾池先生、ありがとうございました!

    Anticancer Research doi: 10.21873/anticanres.17606.

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