海外留学 STUDY ABROAD

海外留学

当教室は留学希望者を応援します

群馬大学放射線治療科では、国際的な視野を持ち、グローバルな医療の最前線で活躍できる人材の育成を目指しています。このような次世代のリーダーを育成するために、海外留学を希望する教室員を全力で応援しています。留学を通じて得られる異文化理解や先進的な技術の習得は、留学経験者にとって貴重な財産となり、その経験が当教室に還元され、さらなる発展と成長をもたらします。私たちは、教室員が安心して海外での学びに挑戦し、その成果を将来的に医療現場や研究活動に活かすことができるようサポート体制を整えています。

最近の留学実績

アメリカ合衆国

  • Massachusetts General Hospital(マサチューセッツ州 ボストン)
  • National Institutes of Health(メリーランド州 ベセスダ)
  • The Ohio State University(オハイオ州 コロンバス)
  • Weill Cornell Medical Center(ニューヨーク州 ニューヨーク)

ヨーロッパ

  • Heidelberg Ion-Beam Therapy Center(ドイツ ハイデルベルク)
  • Medical University of Vienna(オーストリア ウィーン)
  • Karolinska Institutet(スウェーデン ストックホルム)
  • Oxford University(イギリス)

留学体験談:佐藤先生の場合

留学を決めた理由

東北の地方都市で過ごした小中学校時代から、大好きだった海外の映画に感化され、漠然とした憧れを心の中に抱き続けていました。群馬大学腫瘍放射線学教室に入局を決めたのも、何人もの先輩が海外留学経験を持ち、定期的に留学生を出している医局だった、というのが(数多くある)理由の一つでした。このような背景に加え、私が大学院以降続けている「放射線治療による免疫反応」というテーマで研究を進めていく中で、この分野で基礎研究から臨床試験まで多くの成果を発表している、世界トップクラスの研究室で経験を積みたいとの思いが募りました。
一般的に留学先で学べることとしては「トップラボでの実験環境」と「自分の研究分野内での世界的なコネクション作り」が主たるものかと思います。私の場合は、それに加えて「研究のIdeaはどのように決定しているのか」、「数多くの高度な研究をどのように進めているのか」を実際にラボに行って学びたい、という思いを胸に、留学準備を進めました。もちろん、これらの動機に加えて、子供の頃から持ち合わせていた海外憧れを遂に叶える時が来たかも、という思いもありました。

留学先の選択理由

私の場合、留学を希望した研究室は一択でした。自分の研究分野の中で興味を引く論文を数多く発表していたSandra Demariaの元へ留学したい、という思いから具体的な留学希望が始まりました。そのSandraの所属がNew YorkにあるWeill Cornell Medicine(以下WCM)であり、研究内容の希望に加え、(上述の通り海外生活に憧れた佐藤少年の希望に合致した)地理的な条件も重なったことで、「ここしかない!」という、ある種運命的な気持ちで準備に臨みました。

留学準備のプロセス

第一段階

まずは受入先の許可を得ること。メールでもzoomでも対面でも、とにかくコンタクトを取らないと始まりません。ここで先輩や上司の紹介があれば心強いですが、ない場合はとにかく自分で突撃していきましょう。

第二段階

次は滞在費の確保です。これがないとVISAを申請できません。留学先から給与が出れば一番話は早いですが、そうでなければ自力で確保する必要があります。公募されている留学助成金にひたすら応募していきます。

教室や留学先からのサポート

当教室には多くの留学経験者がいた、という点は非常に心強かったです。実際に留学準備を進める中で、大きなことから本当に細かいところまで、数多くの疑問や心配事が浮かびました。そんな時に経験者たちに気軽に色々聞けるというのは、非常に恵まれた環境であり、留学準備において大きなアドバンテージになると思います。
現地の大学からの最大のサポートは、住宅の斡旋でした。WCMで管理している物件であったため、余計な入居審査はなく、また驚異的な家賃が必要なNYにおいても比較的安価(とは言っても日本だと23区内の高級タワマンくらい)にて家族四人で住むことができました。また同じ職場の研究者たちが近所に住むことになるため、終業後や週末には気軽に集まってランニングしたりパーティーしたりできたのもありがたかったです。

留学中のエピソード

  • 放射線治療によって生じる免疫反応の解明と、その経路を活用したがん治療方法の確立を目指した研究を行ってきました。この分野は世界的にも盛り上がりを見せています。「複数の転移病変を有する患者に対して一部の病変に放射線治療をおこなうと、未照射の病変まで縮小する(=『アブスコパル効果』と呼ばれる)」現象がありますが、その背景因子として抗腫瘍免疫反応の関与を世界で初めて報告したのが、私の留学先PIであるSandra Demariaのグループでした。
  • 留学を経て、研究や発表、そしてディスカッションに対する姿勢が変わりました。以前は英語で質問を受けると「詰められている」ように感じてしまっていました。同じような感覚を持っている方も多いのではないでしょうか。どこかで「日本では、質問や指摘が人格攻撃と捉えられてしまう」という言葉を見たことがあります。私自身、そのような意識を内在化し、英語での議論に対する若干の苦手意識が生じていましたが、そこの区別を意識することができたため、このハードルをいい意味で大きく下げることができました。
  • NY,Manhattanという好立地に住んでおり(写真2)、空いている週末は家族でNYのあちこちに遊びにいきました。スポーツももちろん盛んで、現地で大谷翔平選手や渡邊雄太選手の活躍を見ることができたのはいい思い出です。何度も試合観戦したNBAチーム、Brooklyn Netsの取材を受ける経験までしました(写真3)。さらに、自分自身もまさか40歳を目の前にしてバスケを始めるとは思ってもいませんでした(写真4)。近所には日本人研究者や駐在員も数多く住んでいたため、家族ぐるみの付き合いで、ホームパーティーやBBQといったアメリカならではの生活も楽しみ、NY滞在中に料理の腕も上がりましたし、Costcoで買うべきBBQ肉にも詳しくなりました。

  • 音楽や映画を趣味としていたため、NY生活の楽しさは飛躍的に高まりました。近所のあちこちに映画で見た場所が存在し、最近の例だけでも「アベンジャーズ」シリーズ、「ジョーカー」、「ソウルフル・ワールド」、「パスト・ライブス」など、「あ、ここ知ってる!」と、つい浮かれてしまいます(写真5)。実際にロケ撮影もよく行われており、自宅のすぐ近所でキアヌ・リーブスが映画撮影をしていました。ラボメンバーと一緒に映画に行ったのもいい思い出です。NYで、アメリカ人、フランス人、アルゼンチン人の友人たちと「オッペンハイマー」を鑑賞するなど、かなり特殊な体験ができました。

  • 私の音楽の嗜好がRap, Hip Hop寄りであるため、この点でNYは特別な街でした。渡米前から必ず行くと決めていた、Bronxにある1520 Sedgwick Ave.、すなわち「Hip Hop誕生の地」の訪問はハイライトの一つです(写真6)。大小様々なライブ会場が非常に身近なのもNYという特別な環境ならでは。渡米前からよく聴いていたBrasstracks(グラミー賞受賞歴もあるR&B-hip hopプロデューサーコンビ)のBlue Note New Yorkでのライブ後には写真撮影までお願いして、撮影後に彼らのプロデュース作品の一つであるBTSの曲について話した際には「ありがとう!彼らは全員本当にナイスガイだったよ。」と応じてくれました。すなわち私は間接的にBTSと会話したことになるのです(=結果から結論までに飛躍を認める悪い例)。

留学がキャリアに与えた影響

上述した通り、英語でのディスカッションのハードルが下がったことは大きいです。「発表後のディスカッションが本番」という意識が植え付けられましたが、これは研究者における基本スキルだと思います。これに加え、大きなプロジェクトや臨床試験の立案・遂行には、WCMでさえも多大な労力を割いていることが肌感覚として認識できた点もいい経験でした。「みんな英語ができるし、ハイレベルな研究をいくつも発表しているラボだから、きっと余裕があるのだろう」という先入観があったのですが、そんなことはなく、多くのスタッフが時間をかけて、協力して仕事する姿を目の当たりにしてきました。また滞在中に多くの研究者と交流できたのも、留学で得た大きな財産です。放射線腫瘍免疫関連の論文で何度も名前を見るような世界中の研究者と話せたのは、もちろん自分がまだそのレベルにないことは認識しつつも、やはり得難い刺激でした。

これから留学を考えている人へのアドバイス

留学希望があっても、最初にどこから始めればいいのか、イメージが難しいと思います。そんな時は、普段から、論文を読む際に著者に注目して論文を読んでみてください。私はJournal Clubで発表する際などは特に、1st authorとlast authorの顔写真と施設の写真をweb上で探すようにしていました。今ならGoogleの画像検索で簡単に見つけられます。そうすることで「この研究は、この国の、こんな施設で、このメンバーによって行われたんだな」という具体的なイメージを持つことができます。留学を考えている方は、これが最初のきっかけになるのではないでしょうか。

留学体験談:安達先生の場合

留学を決めた理由

私の場合は、大学院時代から腫瘍内低酸素に関する研究を行っていました。しかし、この分野を専門として研究する指導者が身近にいなかったため、専門家に師事し、研究力を上げたいというのが一番の理由です。ちょうど子供も幼稚園に入り、少し手を離れるようになったので、家族で海外に住むのもいい経験になるかと思い、留学を目指すことにしました。

留学先の選択理由

上記の通り、腫瘍内低酸素を専門として研究している研究室を選びました。また、アメリカに比べて家族で渡航・滞在する際の金額的な制約が少なかったため、ヨーロッパを選びました。オックスフォード大学は世界でも有名な大学の一つであり、高度な研究が学べるのではないかと思ったことと、治安含めた環境が良いため、留学先として選びました。

留学準備のプロセス

まずは留学先の選定と受け入れOKをもらうことが一番初めにやることです。雇用してもらえる場合は、その後は受け入れ先の指示に従えばよいと思いますが、私のように無給の研究者(オックスフォードでは、sponsored researcherという身分になります)は、留学奨学金に応募します。無事獲得できたらVISAを申請し、これも無事に取れたらようやく渡航です!

教室や留学先からのサポート

留学に行きたいと決めてから、群馬大学腫瘍放射線学の先生方には奨学金獲得、渡航まで教授をはじめ多くの先生にサポートしていただきました。チームの先生方にはそもそも子育て中で長時間の勤務ができないにも関わらず、研究時間を融通していただきました。また特に研究室のO先生には留学先の選定から奨学金応募原稿の指導、留学先とのやり取りの指導等々、多くのサポートをしていただきました。留学先からは奨学金応募に関わる書類の作成や奨学金応募原稿のチェックもサポートしていただきました。今現在留学中ですが、教授も同僚もみな親切で多くの人に助けられながら日々を過ごしています。

留学中のエピソード

  • 現在、私は腫瘍内低酸素と小胞体ストレス応答について研究しています。一年たちますが、留学前と比べて腫瘍内低酸素に関する理解は深まったと思いますし、研究技術に関しても向上できているのではないかと思います。論文をじっくり読む時間が取れるようになったことも留学してよかったことの一つです。
  • 英国に来て1年経ちますが、ようやくこっちの生活に慣れてきました。しかし未だに驚くこと、文化の違いを感じることも多いです。失敗談は数知れず。話し始めたらきりがありません。もともと英語力が高い状態で渡英したわけではないので、英語(特に電話!)に関するトラブルが一番多いです。そうはいっても、数時間で時差ボケなくヨーロッパ各国に旅行に行ける英国は最高です!また英国国内にも見どころが多く、週末は小旅行を楽しんでいます。実は食事もおいしい国なんです!

留学がキャリアに与えた影響

留学に来たことによって世界に目が向くようになり、研究へのモチベーションはさらに高まりました。また、帰国してからやりたいこと、進めるべき基礎研究、臨床研究の方向性が見えるようになってきたと思います。

これから留学を考えている人へのアドバイス

留学に行きたいと思ったら、早めに経験者や研究指導者に相談しましょう。あとは英語力とお金は持ちすぎて困ることはありません!

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