よくある質問
放射線治療に関するよくある質問
放射線治療とは何ですか?
高エネルギーの放射線を用いてがん細胞を殺す、またはその増殖を抑制する治療です。
放射線治療で悪性腫瘍が根治できるのですか?
はい。放射線治療は根治目的にも使用されます。腫瘍によっては手術と同等以上の成績が示されています。
根治以外の放射線治療もあるのですか?
手術や化学療法と組み合わせて使用し治療効果を高める補助療法や、疼痛や出血など悪性腫瘍による症状を緩和し、生活の質を向上させる目的で使用される緩和照射もあります。
放射線科では患者さんを診察しないのですか?
いいえ。放射線治療において、患者さんの診察は不可欠です。診察を通じて治療計画を立てるための重要な情報を収集します。治療中はもちろん、治療後も定期的な診察を行います。当科には病棟があり、入院患者の治療やケアを行っています。入院中の患者さんには、放射線治療だけでなく総合的な診療が必要です。
臨床実習に関するよくある質問
実習では何を学べばよいのですか?
私たちは、放射線治療の具体的な技術だけでなく、腫瘍学そのものを深く学んでいただきたいと考えています。2人に1人が悪性腫瘍に罹患する現在、どの診療科を選ぶにしても、悪性腫瘍との関わりは避けられません。放射線治療は全身のあらゆる悪性腫瘍を対象とするため、以下のような観点で学びを深めていただきたいと思います。
検査方法や画像診断について
化学療法や手術を含む治療の選択肢をどのように決定するのか
治療後の経過や予後について
放射線治療科での実習を通じて、患者さん一人ひとりの症例を観察し、各段階で何がベストな選択か、注意すべき点は何かを考えながら学習してください。
略語が多くてわかりにくいです。代表的なものを教えて下さい。
放射線治療計画においては以下の略語を理解することが大切です。これらの用語は照射範囲を決める上で用います。
GTV(Gross Tumor Volume)
GTVは、CTやMRI、視診などで明確にがんが存在する範囲を指します。これは腫瘍の実際の大きさを示すものです。
CTV(Clinical Target Volume)
CTVは、GTVに加えて微小浸潤などを考慮した範囲です。がん細胞が存在する可能性のある領域を含むため、より広い範囲をカバーします。これは、放射線治療において臨床的な知識と経験が必要とされる部分です。
PTV(Planning Target Volume)
PTVは、CTVに呼吸や体の動き、日々の位置ずれを考慮した範囲を表します。これにより、実際の治療中に照射すべき範囲が確実にカバーされるように計画されます。
放射線治療計画の見方がわかりません。どこを見ればよいのか教えてください。
放射線治療計画を見る際のポイントを以下にまとめました。基本的な見方を理解することで、線量分布を効果的に読み取ることができます。
線量分布図の理解
線量分布は、CTの上に放射線の照射範囲と強度が描かれたものです。地図の等高線のように、線量の強さによって異なる色や線が表示されています。
凡例の確認
画面の左上に、各色が何%の線量を表しているかを示す凡例があります。この凡例を確認することで、どの線がどの程度の線量を示しているのかが分かります。
PTVと正常組織の確認
凡例の中から95%を示す線を見つけてください。95%線量線でPTV(Planning Target Volume)が囲まれているかを確認します。例外はありますが、通常はこの線でPTVが囲まれ、できるだけ正常組織が外れるように計画を作っています。
カンファレンスでの討論内容がわかりません。ポイントを教えてください。
- 放射線治療は病変を制御するために腫瘍に線量を集中させて、副作用を避けるために正常臓器を照射しないことが理想です。主な討論の内容は、腫瘍(GTV、CTV、PTV)への線量が足りているか、正常臓器への線量が過剰でないかの以下の2つのポイントに集中しています。必要な線量が不足している場合、どのように線量を増やすかを、過剰な線量がかかっている場合、どのようにして線量を減らすかを討論しています。
- 治療計画を調整する際の臨床的な判断理由(何を優先しているか)を理解するように努めて下さい。これらのポイントを押さえてカンファレンスを聞くことで、討論内容の理解が深まり、放射線治療計画の最適化にどのように貢献できるかを学ぶことができます。
入局に関するよくある質問
画像診断やIVR、核医学治療は行っていないのですか?
当講座は放射線治療を中心とした講座です。本学における画像診断やIVR(インターベンショナルラジオロジー)核医学治療は、放射線診断核医学講座が担当しています。
どのような関連病院がありますか?
関東一円に多くの関連病院があります。詳細は関連病院のページを御覧ください。
他大学出身者の受け入れ状況はどうなっていますか?
直近10年間の入局者35人のうち、11人が他大学出身の方でした。出身大学に関わらず安心して研修を行い、働ける環境を提供していますので、ご安心ください。多様なバックグラウンドを持つ医師が集まり、互いに切磋琢磨することで、質の高い医療を提供できると考えています。
中途入局は可能ですか?
途中から入局される方も歓迎しています。ほかの地域で放射線治療医をされていた方はもちろん、ほかの診療科出身の方も当教室では活躍しています。
大学院の進学について教えて下さい。
社会人大学院制度を活用することで、大学病院や関連病院での勤務と両立しながら、大学院に進学し研究を進めることが可能です。当教室では、多くの先生が専門医研修中に学位を取得しています。臨床経験と研究活動を並行して行うことで、実践的な知識と技術を深めることができます。また、社会人大学院生として勤務する場合でも、給与が十分に確保されており、安心して研究に専念できる環境が整っています。当教室には経験豊富な指導教官が、研究の進め方や論文の書き方などを丁寧に指導します。研究設備や研究材料となるデータに充実しており、質の高い研究ができる環境を整えています。
大学院進学のタイミングは様々です。入局と同時に大学院に進学する方もいます。早期から研究に取り組むことで、専門医研修と並行して学位取得を目指します。ある程度の臨床経験を積んでから大学院に進学する方もいます。臨床の現場で得た知識と経験を研究に活かすことで、より実践的な研究が可能です。本人の希望に応じて、学位を取得しない選択も可能です。臨床に専念したい場合や、別のキャリアプランを持つ場合には、学位取得を強制されることはありません。
入局説明会や見学について教えて下さい。
医局の説明会は年に2回定期的に開催しており、詳細は教室ホームページや公式LINE、メルマガでご案内します。当科では病院や研究室の見学や実習を随時受け入れており、1日から長期実習まで対応可能です。遠方の方はオンライン面談も可能ですので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
入局の手続きや時期について教えて下さい。
入局のご相談は医会長に直接あるいはメールでご連絡下さい。放射線科専門研修プログラムの募集は例年、10〜11月頃に開始されますので、それまでには決めて頂くことをお勧めします。専攻医研修の研修計画を立てる上では、なるべく早めに入局の意向をお伝え頂くメリットがあります。
女性医師の出産・育児についての待遇はどうなっていますか?
多くの女性医師が産前産後休業・育児休業を取得しながら、出産・育児と仕事に取り組んでいます。産前産後や育児休業中の女性医師と定期的に面談を行い、職場復帰後の働き方やサポート体制について相談しやすい環境を整えています。職場復帰後も育児と仕事を両立できるよう、柔軟な勤務時間の設定や時短勤務制度など、育児を支援するためのサポート体制が整っています。
当直や呼び出しはありますか?
大学病院では平日に月1〜2回の宿直と土日祝に1回程度の病棟宿日直があります。呼び出しはありません。救急対応はほとんどありませんが、当直中に上級医に相談できる仕組みはあります。育児中の女性医師は当直が免除されています。希望者には外病院で非常勤の病棟宿日直を斡旋しています。関連病院では当直がある病院とない病院があります。
専門医プログラムに関する
よくある質問
放射線治療専門医の取得について教えて下さい。
2年間の初期研修医修了後、まずは日本専門医機構認定の放射線科専門研修プログラムで3年間の研修を行い放射線科専門医の取得を目指します。放射線科専門医取得後にさらに2年間、放射線治療のサブスペシャリティ領域研修を行い、放射線治療専門医の取得を目指します。最短卒後8年目で放射線治療専門医を取得することができます。詳細については、「卒後教育・専門研修について」のページを御覧ください。
専攻医登録について教えて下さい。
専攻医登録に関する詳細は日本専門医機構のホームページをご参照下さい。また、日本医学放射線学会のホームページの放射線科領域専門研修プログラムについてもあわせてご確認下さい。
群馬県の地域枠ですが、ローテーション先は配慮されますか?
地域枠出身の専攻医が安心して研修に取り組めるよう、配慮しています。ローテーション先の選定にあたり、専攻医研修開始前に個別相談を行います。当科の専門研修プログラムには県外にも連携施設がありますが、地域枠のルールを遵守しながら、最適な研修計画を立てます。当教室では地域医療に貢献しながら、質の高い専門研修を受けられる環境を提供しています。
画像診断やIVRの経験は可能ですか?
放射線科専門研修プログラムにおける画像診断やIVRの研修は、画像診断部のローテーションで必要な症例経験を得ることができます。大学研修中に短期間で必要症例を経験します。
学会・研究活動に関する
よくある質問
学会や研究会には参加できますか?
当科では、放射線治療分野の多くの学会や研究会への積極的な参加を推奨しています。大学では、放射線治療に関わる国内学会には出張として参加できます。
海外学会には参加できますか?
当科では早期に国際的な経験を積むことを推奨しています。入局後、一度は演題発表がなくても海外学会に参加する機会があります。参加費や旅費の一部は医会が補助しますので、積極的にご参加ください。
学会発表や論文を書くチャンスはありますか?
放射線治療分野では基礎研究でも臨床においても学会発表や論文になりうるテーマが多くあり、当科では早期より研究発表を行うチャンスが与えられます。また、指導体制もしっかりしています。
海外留学を関するよくある質問
海外留学について教えて下さい。
当科では海外留学を応援しています。学位取得後に希望する方は、相談の上で海外留学が可能です。留学先の国によっては、受入先から十分な給与が支給されるか、奨学金や研究助成金を獲得する必要があります。また、群馬大学腫瘍放射線学の同門会を中心に、海外留学を支援する仕組みがあります。海外留学に関する当科の実績や詳細は「海外留学」のページをご覧ください。
そもそも留学って行った方がいいですか?
もちろんキャリアプランにもよりますが、もし興味がゼロではない、ほんの少しでも興味があるのであれば、強く強くお勧めします。何物にも変え難い貴重な経験となるはずです。
子連れでも留学できますか?
できます。ただし、サポートが必要です。お金も余計に必要となるのでできるだけ多く貯金しておきましょう。
何歳までに留学をするのがよいですか?
年齢制限はありません。何歳でも行けます。ラボ内ではPI以外は比較的若い人が多いので(20代~30代前半)、40歳を過ぎると少し驚かれますがアジア人は若く見えることが多いので問題ないです。奨学金を獲得する場合には40歳前後での年齢制限があることが多いです。
英語はどのくらいできればいいですか?
最低でもIELTS6.5、できれば7. 0以上があると良さそうです。帰国後に日本人の留学経験者と話した際、このくらいのスコアがあれば良さそうだよね、という結論に至った数値です。正直に言うと、私自身、特に留学当初は本当に苦労しました。私の留学前には当教室にも何人も留学生がおり、彼らとの会話は基本的に問題なかったためそれなりに自信を持って行ったのですが、NYで話される会話のスピードに愕然としました。もちろん、仕事のミーティング、買い物、銀行口座の開設、お酒と音楽に溢れるBarでの会話など、異なるシーンでは異なる英語が求められます。全て分かるのは相当大変ですが、それでもこのスコアは一つの基準になるかと思います。
留学前に、英語力向上のためにどんなことをやりましたか。
英語の文法のテキストを購入し、時間のある時にやりました。また、オンライン英会話で少しずつ会話に慣れるようにしました。
留学に行くために研究面で準備することはありますか。
基本的な器具の扱い(ピペットマン等)、生物系であれば細胞培養の基礎はできるようになっておくべきです。他、よく使われる実験手技は身に着けておくと心強いですが、ラボにより器具が違うので一から説明を受けることになります。他、渡航先の論文等でどのような研究をやっている研究室かを把握しておくとよいでしょう。
留学のための貯金はいくらくらい用意しましたか。
イギリス2年間留学の先生のケース:1000万円くらい用意しました。外国人は信用がないため1年分の家賃を住み初めに支払う必要があり、それで半分くらいは使いました。他、車の購入、家具家電、日々の必要経費、就学準備を支払うと1000万円はあっという間に消えました。
アメリカNY留学の先生のケース:留学先の所在地や給料、住む場所、一緒に行く家族構成によって大きく変ると思います。一般的には、1000万円以上の貯金があるといいでしょうか。ちなみに「Manhattanに」「家族4人で」「急激な円安が進んだ2021〜2024年の間」住んだ私の場合、留学助成金を頂いていたものの、家賃だけでほぼ使い切ってしまいました。
興味はあるけど、やはり色々不安ですが?
そんな時のために、当教室には数多くの留学経験者がいます。何でも気軽に聞いてください!